補助金の税務処理 — 圧縮記帳の活用法

最終更新: 2026年3月22日

税務処理圧縮記帳法人税所得税

この記事でわかること:補助金にかかる税金と圧縮記帳による課税繰延の方法を解説。法人・個人事業主別の処理方法と具体的な計算例をまとめました。

1. 補助金は課税対象

補助金は法人税法上の「益金」、所得税法上の「収入」に該当し、原則として課税対象です。例えば500万円の補助金を受け取ると、法人税率23.2%の場合、約116万円の税金が発生します。しかし、圧縮記帳を活用すれば、この課税を将来に繰り延べることができます。

2. 圧縮記帳の具体例

項目圧縮記帳なし圧縮記帳あり
設備取得価額1,000万円1,000万円
補助金受取額500万円500万円
圧縮損500万円
課税所得への影響(初年度)+500万円±0
帳簿上の取得価額1,000万円500万円
年間減価償却費(5年定額法)200万円100万円

3. 圧縮記帳の適用要件

法人税法第42条の要件:

1. 国庫補助金、工事負担金等により固定資産を取得すること
2. 返還不要が確定していること
3. 圧縮記帳の経理処理を行うこと(直接減額方式または積立金方式)
4. 確定申告書に明細書を添付すること

4. 対象となる補助金

補助金名圧縮記帳の可否
ものづくり補助金可能
事業再構築補助金可能
IT導入補助金可能(固定資産の場合)
小規模事業者持続化補助金可能(固定資産の場合)
雇用関係の助成金不可(固定資産取得ではないため)

5. 個人事業主の場合

個人事業主は所得税法第42条「国庫補助金等の総収入金額不算入」を適用します。青色申告・白色申告いずれでも適用可能です。確定申告時に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付します。

6. 圧縮記帳を適用しない方がよいケース

ケース理由
当期が赤字の場合補助金を計上しても課税されないため不要
繰越欠損金がある場合欠損金と相殺できるため不要
減価償却費を多く計上したい場合圧縮記帳すると減価償却費が減少する

よくある質問

Q. 圧縮記帳とは何ですか?

補助金相当額を損金算入し、課税を将来に繰り延べる制度です。補助金の実質的な手取り額を増やす効果があります。

Q. 圧縮記帳は必ず適用しなければなりませんか?

任意適用です。赤字の場合など、適用しない方が有利なケースもあります。

Q. 個人事業主でも圧縮記帳は使えますか?

はい、所得税法第42条に基づく「国庫補助金等の総収入金額不算入」として同様の効果を得られます。