補助金と助成金の違いとは?申請前に知っておくべき基礎知識

最終更新: 2026年3月21日

補助金 助成金 違い

補助金とは

助成金とは

補助金 申請

この記事のポイント:補助金と助成金の違い、それぞれの特徴、申請の流れ、審査のポイントを初心者向けにわかりやすく解説。

補助金と助成金の基本的な違い

「補助金」と「助成金」は、どちらも国や自治体から支給される返済不要の資金ですが、その仕組みは大きく異なります。この違いを理解することが、正しい制度選びと申請成功の第一歩です。

定義と管轄の違い

補助金は主に経済産業省が管轄し、企業の事業拡大や設備投資、新技術開発などを目的としています。一方、助成金は主に厚生労働省が管轄し、雇用の維持・促進、人材育成、労働環境の改善を目的としています。

比較項目 補助金 助成金
主な管轄 経済産業省・中小企業庁 厚生労働省
目的 事業拡大・設備投資・技術開発 雇用維持・人材育成・労働環境改善
審査方式 競争型(採択率あり) 要件審査型(要件を満たせばほぼ受給)
申請期間 公募期間が限定的 通年受付が多い
金額規模 数十万〜数千万円 数万〜数百万円
返済義務 なし なし
難易度 高い(事業計画書が必要) 比較的低い(書類要件を満たせばOK)
ポイント:補助金は「選ばれるために申請する」もの、助成金は「条件を満たして申請する」ものと覚えましょう。この違いが申請準備の方針を大きく左右します。

補助金の特徴と代表的な制度

補助金の主な特徴

代表的な補助金制度

経産省系 ものづくり補助金

中小企業の革新的な製品開発や生産プロセスの改善を支援する制度です。設備投資やシステム開発に幅広く使えます。

上限金額: 1,250万円
補助率: 1/2〜2/3
採択率: 約50%

経産省系 IT導入補助金

中小企業のIT化を支援し、業務効率化や売上向上を目的とした制度です。ソフトウェアやクラウドサービスの導入費用が対象です。

上限金額: 450万円
補助率: 1/2〜3/4
採択率: 約60%

経産省系 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の経営改善や販路拡大を支援する制度です。広告費、展示会出展費、ウェブサイト制作費など幅広い経費が対象です。

上限金額: 200万円
補助率: 2/3
採択率: 約85%

助成金の特徴と代表的な制度

助成金の主な特徴

代表的な助成金制度

厚労省系 キャリアアップ助成金

非正規雇用の従業員を正社員に転換したり、処遇を改善したりした場合に受給できる助成金です。最も利用されている助成金の一つです。

正社員化コース: 80万円/人
賃金規定改定コース: 最大6.5万円/人
受給難易度: 比較的容易

厚労省系 人材開発支援助成金

従業員のスキルアップのための研修費用を助成する制度です。OJT、Off-JT、eラーニングなど幅広い研修形態が対象です。

経費助成率: 最大75%
賃金助成: 960円/時間
受給難易度: 比較的容易

厚労省系 両立支援等助成金

育児休業や介護休業の取得促進、職場復帰支援を行った企業に支給される助成金です。男性育休の促進にも対応しています。

出生時両立支援: 60万円
育休中等業務代替: 最大125万円
受給難易度: やや手続き多い

申請フローの比較

補助金の申請フロー

  1. 情報収集・制度選定(1〜2週間) — 自社に合った補助金を探し、公募要領を確認
  2. 事業計画書の作成(2〜4週間) — 現状分析、課題、解決策、数値目標を記述
  3. 電子申請(GBizID取得が必要) — jGrantsなどのシステムから申請
  4. 審査・選考(1〜3ヶ月) — 書面審査、場合によっては面接
  5. 採択通知・交付決定 — 採択後、交付申請を提出
  6. 事業実施(3〜12ヶ月) — 計画通りに設備投資やサービス導入を実行
  7. 実績報告・補助金受領 — 証拠書類を提出し、確認後に入金

助成金の申請フロー

  1. 要件の確認(1〜2週間) — 雇用保険加入状況や就業規則の整備状況を確認
  2. 計画届の提出 — 取り組みを開始する前に管轄の労働局に計画届を提出
  3. 取り組みの実施 — 正社員転換、研修実施、育休取得などの取り組みを実行
  4. 支給申請書の作成・提出 — 取り組み完了後、必要書類を添えて支給申請
  5. 審査・支給決定(2〜6ヶ月) — 労働局が書類を確認し、支給を決定
注意:助成金は「取り組み開始前」に計画届を提出する必要がある場合がほとんどです。後から申請しても受理されないケースが多いため、必ず事前に確認してください。

よくある間違いと注意点

初心者が陥りがちな5つの間違い

間違い1:補助金と助成金を混同して申請する

「助成金のつもりで気軽に申請したら、実は競争型の補助金だった」というケースがあります。制度名に「助成」と付いていても経産省系の競争型制度だったり、「補助」と付いていても要件充足型だったりします。必ず公募要領で審査方式を確認しましょう。

間違い2:補助金は先にお金がもらえると思っている

補助金・助成金はどちらも原則「後払い」です。先に自己資金で投資し、事業完了後に精算されます。資金繰りを考慮せずに申請すると、採択されても資金不足で事業を実施できないという事態になりかねません。

間違い3:申請すれば必ずもらえると思っている

助成金は要件を満たせばほぼ受給できますが、補助金は採択率が30〜85%で、不採択になることも珍しくありません。特にものづくり補助金や事業再構築補助金は、事業計画の質が問われます。

間違い4:GBizIDの取得を後回しにする

多くの補助金の電子申請にはGBizIDが必要です。取得には2〜3週間かかることがあるため、公募開始後に慌てて取得しようとすると、申請期限に間に合わない可能性があります。早めに取得しておきましょう。

間違い5:採択後の報告義務を軽視する

補助金・助成金は受給して終わりではありません。事業の実績報告、経費の証拠書類提出、事業効果の報告など、採択後も義務があります。これを怠ると、補助金の返還を求められることがあります。

どちらを選ぶべきか — 目的別おすすめ

目的に応じて、補助金と助成金のどちらを選ぶべきかが変わります。以下の判断フローを参考にしてください。

目的 おすすめの制度 具体的な制度例
設備投資・機械導入 補助金 ものづくり補助金、事業再構築補助金
ITツール・システム導入 補助金 IT導入補助金
販路拡大・広告宣伝 補助金 小規模事業者持続化補助金
従業員の正社員化 助成金 キャリアアップ助成金
人材育成・研修 助成金 人材開発支援助成金
育児・介護休業の整備 助成金 両立支援等助成金
賃上げ・処遇改善 助成金 業務改善助成金
おすすめ戦略:補助金と助成金は併用可能です。例えば、IT導入補助金でシステムを導入しつつ、キャリアアップ助成金で従業員の正社員化を進めるなど、複数の制度を組み合わせることで最大限の支援を受けられます。

よくある質問(FAQ)

補助金と助成金はどちらが申請しやすいですか?

一般的に助成金の方が申請しやすいです。助成金は要件を満たせばほぼ受給できるのに対し、補助金は競争型の審査があり採択率が限られています。初めて申請する方は、まず助成金から挑戦することをおすすめします。

Q. 補助金と助成金は同時に申請できますか?

異なる経費に対してであれば、補助金と助成金を同時に申請・受給することは可能です。ただし、同一経費に対する重複受給は禁止されています。申請時には他の制度への申請状況を正確に申告する必要があります。

Q. 補助金・助成金は返済が必要ですか?

原則として返済は不要です。ただし、不正受給が発覚した場合や、事業継続要件を満たせなかった場合は返還を求められることがあります。融資とは異なり、利息もかかりません。

Q. 個人事業主でも補助金・助成金を申請できますか?

はい、多くの制度で個人事業主も申請可能です。特に小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金は個人事業主にも広く利用されています。ただし、制度ごとに対象者要件が異なりますので、必ず確認してください。

Q. 補助金・助成金の申請に費用はかかりますか?

申請自体は無料です。ただし、事業計画書の作成を専門家に依頼する場合は3〜10万円程度の費用がかかることがあります。商工会議所の無料相談を活用すれば費用を抑えられます。

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