個人事業主が使える助成金・補助金一覧2026|申請方法と注意点

最終更新: 2026年4月3日

個人事業主フリーランス補助金一覧助成金2026年版

この記事でわかること:個人事業主・フリーランスが2026年度に活用できる補助金・助成金を網羅的に解説します。制度ごとの金額・対象者・申請方法に加え、従業員の有無による使える制度の違い、申請時の注意点、確定申告との関係まで実務レベルで紹介します。

1. 個人事業主が使える補助金・助成金の全体像

個人事業主が活用できる支援制度は、大きく「経済産業省系の補助金」と「厚生労働省系の助成金」に分かれます。この区分を理解しておくことが、自分に合った制度を見つける第一歩です。

区分経産省系・補助金厚労省系・助成金
代表例持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金
従業員なしの個人事業主申請可能原則不可(雇用保険適用が要件)
審査方式競争的審査(採択率あり)要件充足で原則受給可
申請窓口jGrants等の電子申請ハローワーク・労働局
受給タイミング事業完了後に精算払い取組実施後に申請・受給

重要なポイント:従業員を雇用していない個人事業主は、厚生労働省系の助成金(キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金等)は原則として利用できません。経済産業省系の補助金を中心に検討しましょう。

2. 従業員なしでも使える補助金一覧(経産省系)

2-1. 小規模事業者持続化補助金

項目内容
補助上限額通常枠: 50万円 / 特別枠(賃金引上げ・卒業・後継者支援・創業): 200万円
補助率2/3(賃金引上げ枠の一部は3/4)
対象者商業・サービス業: 従業員5人以下 / 製造業・その他: 従業員20人以下
対象経費機械装置費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費、旅費、開発費、委託・外注費など
申請方法商工会議所(または商工会)の確認を受けてjGrantsで電子申請

個人事業主に最もおすすめ:申請実績が最も多く、商工会議所が無料で申請を支援してくれます。チラシ作成、HP制作、展示会出展など幅広い販路開拓費用に使えます。創業枠(開業届提出から3年以内)なら上限200万円です。

→ 小規模事業者持続化補助金 2026年度の詳細ガイドはこちら

2-2. IT導入補助金

項目内容
補助上限額通常枠: 5万〜150万円未満 / インボイス枠: 最大350万円 / セキュリティ対策推進枠: 最大100万円 / 複数社連携IT導入枠: 最大3,000万円
補助率1/2〜3/4(枠によって異なる)
対象者中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)
対象ツール会計ソフト、受発注システム、決済ソフト、ECサイト構築ツール、セキュリティソフトなど(IT導入支援事業者が登録したツール)
申請方法IT導入支援事業者と連携してjGrantsで電子申請

個人事業主のポイント:インボイス対応の会計ソフト導入に特に有効です。インボイス枠では、会計・受発注・決済ソフトの導入費用が補助率3/4で支援されます。PC・タブレット等のハードウェア購入も対象(上限10万円)です。

→ IT導入補助金 2026年度の詳細ガイドはこちら

2-3. ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

項目内容
補助上限額通常枠: 750万〜1,250万円(従業員数による) / グローバル枠: 3,000万円 / ビジネスモデル構築型: 1億円
補助率中小企業1/2、小規模事業者2/3
対象者中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)
対象経費機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費など

注意:ものづくり補助金は金額が大きい反面、事業計画の審査が厳格で、採択率は約40〜50%です。設備投資を伴う本格的な事業拡大を計画している個人事業主向けです。

2-4. 省力化投資補助金(カタログ型)

項目内容
補助上限額従業員5人以下: 200万円 / 6〜20人: 500万円 / 21人以上: 1,000万円
補助率1/2
対象あらかじめカタログに登録された省力化製品(ロボット、IoT機器等)の導入

2-5. 事業再構築補助金

項目内容
補助上限額成長枠: 2,000万〜7,000万円 / グリーン成長枠: 最大1.5億円
補助率中小企業1/2、小規模事業者2/3
対象者新分野展開、事業転換、業種転換等に取り組む事業者

2026年度の動向:事業再構築補助金は2025年度で一旦終了し、2026年度は「成長投資促進補助金」等の後継制度に移行する可能性があります。最新の公募情報を確認してください。

3. 従業員がいる場合に使える助成金(厚労省系)

従業員を1人でも雇用し、雇用保険に加入している個人事業主は、以下の助成金も活用できます。

3-1. キャリアアップ助成金

コース助成額(中小企業)主な内容
正社員化コース80万円/人(有期→正規)パート・契約社員を正社員に転換
賃金規定等改定コース5万円/人非正規の賃金を3%以上引上げ
賞与・退職金制度導入コース40万円非正規に賞与・退職金制度を新設
社会保険適用時処遇改善コース最大50万円/人社会保険適用に伴う処遇改善
→ キャリアアップ助成金の詳細ガイドはこちら

3-2. 人材開発支援助成金

コース助成額主な内容
人材育成支援コース経費の45〜75% + 賃金助成760円/時OFF-JT研修の実施
教育訓練休暇等付与コース30万円教育訓練休暇制度の導入
人への投資促進コース経費の45〜75%デジタル人材育成、高度デジタル人材訓練

3-3. 業務改善助成金

項目内容
助成上限額30万〜600万円(引上げ額・人数による)
助成率3/4〜9/10(事業場規模30人未満は9/10)
要件事業場内最低賃金を30円以上引き上げること
対象経費生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム、業務改善コンサルティング等)

3-4. 両立支援等助成金

コース助成額内容
出生時両立支援コース20万円男性従業員の育休取得を支援
育児休業等支援コース30万円育休取得・職場復帰を支援
介護離職防止支援コース30万円介護休業の取得を支援

3-5. トライアル雇用助成金

項目内容
助成額月額最大4万円/人(最大3ヶ月)
対象就職困難者をハローワーク経由で試行雇用する場合
→ トライアル雇用助成金の詳細ガイドはこちら

4. 個人事業主の補助金申請 ― 具体的な手順

GビズIDプライムの取得(所要2〜3週間)
ほぼ全ての補助金の電子申請に必要です。GビズIDサイトから申請。個人事業主は印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)と印鑑が必要です。審査に2〜3週間かかるため、補助金を検討し始めたら最初に取得しましょう。
自分に合った制度を選ぶ
ミラサポplus、J-Net21、商工会議所で情報収集します。以下の3点を軸に選びましょう。
・何に使いたいか(販路開拓? IT導入? 設備投資?)
・いくら必要か(数十万円? 数百万円?)
・従業員はいるか(いない場合は経産省系のみ)
事業計画書の作成
補助金申請の核心部分です。「現状の課題」「補助金を使ってどう解決するか」「期待される効果(売上向上、生産性改善)」を具体的な数字で示します。商工会議所では無料で計画書作成のアドバイスを受けられます。
必要書類の準備
書類入手先注意点
確定申告書(直近1〜2年分)手元の控え税務署の受付印またはe-Taxの受信通知が必要
開業届の写し手元の控え紛失時は税務署で閲覧請求
GビズIDプライムアカウントGビズIDサイト事前取得必須
見積書取引先対象経費ごとに原則2社以上
事業支援計画書商工会議所持続化補助金の場合は必須
電子申請
jGrants(補助金申請システム)にログインし、必要事項を入力・書類をアップロードします。締切日の直前はシステムが混み合うため、余裕を持って申請しましょう。
採択通知・交付決定
審査は通常1〜2ヶ月程度。採択されると交付決定通知が届きます。交付決定前の支出は補助対象外なので、決定通知を受け取るまで発注・支払いをしないでください。
事業実施・経費支払い
計画通りに事業を実施し、対象経費を支払います。全て銀行振込で支払い、領収書・請求書・振込明細をセットで保管してください。現金払いは原則認められません。
実績報告・補助金受取
事業完了後、実績報告書を提出します。証拠書類(請求書、領収書、成果物の写真等)を添付。審査後、確定した補助金額が銀行口座に振り込まれます。申請から入金まで半年〜1年程度かかるのが一般的です。

5. 個人事業主が特に注意すべき7つのポイント

5-1. 後払いが原則 ― 資金繰りの準備が必須

補助金は「先に自己負担で支払い、後から補助金を受け取る」精算払いです。例えば100万円の設備を導入し補助率2/3の場合、先に100万円を自己資金(または融資)で支払い、事業完了後に約67万円が振り込まれます。日本政策金融公庫の「つなぎ融資」も検討しましょう。

5-2. 交付決定前の着手は絶対NG

交付決定通知を受け取る前に発注・契約・支払いをしたものは補助対象外です。見積もり取得や情報収集は問題ありませんが、契約書への署名や代金の支払いは必ず交付決定後に行ってください。

5-3. 確定申告の「圧縮記帳」に注意

補助金で取得した固定資産は、圧縮記帳の適用が可能です。圧縮記帳をしない場合、補助金収入が課税所得に加算され、翌年の所得税・住民税・国民健康保険料が大幅に増える可能性があります。税理士に相談することをおすすめします。

5-4. 消費税の仕入税額控除との関係

インボイス登録済みの課税事業者は、補助金で購入した物品の消費税分について仕入税額控除を受けられます。ただし、補助金は消費税の課税取引ではないため、補助金自体に消費税はかかりません。補助対象経費は「税抜き額」で計算される制度が多い点に注意してください。

5-5. 処分制限期間がある

補助金で取得した設備は一定期間(通常5年程度)処分できません。処分する場合は事前に承認を受け、補助金の一部を返還する必要があります。

5-6. 経費の按分に注意

個人事業主は事業用と私用の区分が曖昧になりがちです。補助金の対象経費は100%事業用であることが原則です。自宅兼事務所の場合、按分が必要な経費は対象外となる場合があります。

5-7. 青色申告をしていると有利

一部の補助金では、青色申告を行っていることが加点要素になります。また、圧縮記帳を適用する際も青色申告の方が有利です。白色申告の方は、補助金申請を機に青色申告への切り替えも検討しましょう。

6. 業種別おすすめ補助金

業種おすすめ補助金活用例
飲食店持続化補助金、業務改善助成金集客用HP制作、テイクアウト用設備導入
美容室・理容室持続化補助金予約システム導入、SNS広告、店舗改装
小売店IT導入補助金、持続化補助金POSレジ導入、ECサイト構築
建設業ものづくり補助金、省力化投資補助金3D-CAD導入、測量ドローン
IT・Web制作IT導入補助金、ものづくり補助金開発環境整備、新サービス開発
コンサルタント持続化補助金セミナー開催、書籍出版、HP制作
農業持続化補助金、農業系補助金直販サイト構築、農産加工設備
士業持続化補助金、IT導入補助金顧客管理システム、オンライン相談環境

7. 自治体独自の支援制度も見逃さない

国の補助金に加え、都道府県・市区町村が独自の支援制度を設けています。国の補助金と併用できる場合もあるため、必ず確認しましょう。

制度例概要金額目安
創業支援補助金開業時の初期費用を支援10万〜100万円程度
店舗改装補助金店舗の改装・バリアフリー化を支援50万〜200万円程度
ECサイト構築補助金オンライン販売環境の構築を支援10万〜50万円程度
展示会出展補助金展示会・見本市への出展費用を支援5万〜30万円程度
家賃補助制度事務所・店舗の家賃を一定期間補助月額1万〜5万円程度

自治体補助金の探し方:「(自治体名) 補助金」「(自治体名) 創業支援」で検索するか、J-Net21の支援情報ヘッドラインで地域を絞り込んで検索できます。

8. 無料相談窓口の活用

窓口特徴費用予約方法
よろず支援拠点全都道府県に設置。補助金選びから計画書作成まで幅広く対応無料各拠点のWebサイトから予約
商工会議所・商工会持続化補助金の申請窓口。計画書の添削も対応無料(会員でなくても相談可)最寄りの商工会議所に電話
中小企業基盤整備機構経営全般の相談。オンライン相談も対応無料Webサイトから予約
認定経営革新等支援機関税理士・中小企業診断士等の専門家。ものづくり補助金申請時に関与が必要一部有料の場合あり認定支援機関検索で検索

9. 2026年度の補助金スケジュール(主要制度)

注意:以下は過去の実績に基づく見込みスケジュールです。正式な公募日程は各制度の公式サイトで確認してください。

補助金公募開始(見込み)締切(見込み)採択発表
持続化補助金年複数回公募各回の締切あり締切後2〜3ヶ月
IT導入補助金3〜4月頃複数回締切あり締切後1〜2ヶ月
ものづくり補助金年複数回公募各回の締切あり締切後2〜3ヶ月
省力化投資補助金通年受付随時申請後1〜2ヶ月

よくある質問

Q. 個人事業主でも補助金・助成金を申請できますか?

はい、多くの補助金が個人事業主も対象です。持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金などに申請できます。ただし厚労省系の助成金は雇用保険適用事業所が要件のため、従業員がいない場合は対象外です。

Q. 開業したばかりでも申請できますか?

持続化補助金の創業枠は開業届提出から3年以内の事業者が対象で、上限200万円です。ただし確定申告の実績が必要な制度もあるため、各制度の要件を確認してください。

Q. 従業員がいない個人事業主でも助成金は使えますか?

厚労省系の助成金は雇用保険適用が要件のため、従業員なしでは利用できません。経産省系の補助金(持続化補助金、IT導入補助金等)は従業員がいなくても申請可能です。

Q. 補助金を受け取ると確定申告にどう影響しますか?

補助金は「雑収入」として事業所得に算入されます。圧縮記帳を適用すれば課税を繰り延べることが可能です。補助金収入により所得税・住民税・国民健康保険料が増える可能性があるため、税理士への相談をおすすめします。

Q. 複数の補助金を同時に申請できますか?

原則として、同一の経費に対して複数の補助金を重複申請することはできません。ただし対象経費が異なれば、複数の補助金を併用できる場合があります。例えば持続化補助金で広告費、IT導入補助金で会計ソフト費用、といった使い分けは可能です。