最終更新: 2026年4月12日 / 公開: 2025年10月1日
事業再構築補助金2026年度第13回公募新分野展開事業転換中小企業庁
この記事でわかること:事業再構築補助金2026年度(第13回公募)の申請要件、申請枠別の補助額、対象経費、最新スケジュール、採択率、必要書類、採択事例、申請の流れ、よくある質問までをワンストップで解説します。これから申請を検討する経営者・個人事業主・支援機関の方が、本記事1本で全体像をつかめる構成にしました。
事業再構築補助金は、コロナ禍を契機に創設された大型補助金で、中小企業・中堅企業の「思い切った事業再構築」を支援する制度です。新分野展開・業態転換・事業転換・業種転換・事業再編という5類型のいずれかに該当する取組みに対して、最大数億円規模の支援を行います。経済産業省が所管し、中小企業庁が制度設計、事務局が運営しています。
2026年度は、ポストコロナ・物価高・人手不足・GX/DXといった経営環境の構造変化に対応するため、「成長分野への大胆な転換」を促す方向に制度がさらに進化しています。建物費(建設・改修費)が対象になる数少ない補助金として、店舗・工場・倉庫を伴う事業転換や、製造業のスマートファクトリー化、観光・宿泊業の業態転換などで活用が広がっています。
中小企業者はもちろん、中堅企業(中小企業者ではないが資本金10億円未満等の一定要件を満たす企業)も対象です。中小企業と中堅企業では補助率が異なり、中小企業の方が手厚い支援を受けられます。
補助金は予算枠が決まっており審査があるため「採択されないと受け取れない」のに対して、助成金は要件を満たせば原則受給できます。事業再構築補助金は典型的な「審査型補助金」で、採択率は公募回ごとに変動します。詳細は補助金と助成金の違いガイドをご覧ください。
2026年度の事業再構築補助金は、過去の制度設計を引き継ぎつつも、以下のような方向性で運用されています(2026年4月時点)。
注意:申請枠の名称・要件・補助率は公募回ごとに細かく変更される場合があります。本記事は2026年4月時点の情報をベースにしていますが、申請前には必ず公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
事業再構築補助金では「事業再構築指針」が定義されており、以下5類型のいずれかに該当する事業計画である必要があります。どの類型を選ぶかで、求められる要件・売上構成比のハードルが変わります。
| 類型 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 新分野展開 | 主たる業種・事業を変えずに、新たな製品で新市場に進出 | 町工場が自社技術を活かして医療機器分野へ進出 |
| 事業転換 | 主たる事業を別の事業に転換 | 居酒屋がセントラルキッチン併設のEC食品事業へ |
| 業種転換 | 主たる業種そのものを転換 | 製造業がITソリューション業に転換 |
| 業態転換 | 製造方法・提供方法を非連続に変更 | 対面の学習塾がオンライン教育プラットフォームへ |
| 事業再編 | 会社法上の組織再編行為(合併・分割等)を伴う再構築 | M&Aにより新事業領域を取得し再構築 |
類型ごとの細かい要件・該当判断については、事業再構築補助金 対象事業者・要件ガイドで詳しく解説しています。
事業再構築補助金は、目的別に複数の申請枠が用意されています。自社の経営課題に最も合う枠を選ぶことが採択率を左右します。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 成長枠 | 2,000万円〜7,000万円 | 1/2(中小)/1/3(中堅) | 成長分野へ進出する中小・中堅企業 |
| グリーン成長枠(エントリー) | 4,000万円〜8,000万円 | 1/2(中小)/1/3(中堅) | GX関連事業に取り組む事業者 |
| グリーン成長枠(スタンダード) | 1億円〜1.5億円 | 1/2(中小)/1/3(中堅) | GX分野で大規模投資を行う事業者 |
| 卒業促進枠 | 最大800万円 | 1/2 | 中小企業から中堅企業への成長を目指す事業者 |
| 大規模賃金引上促進枠 | 最大3,000万円 | 1/2(中小)/1/3(中堅) | 大規模な賃上げを行う事業者 |
| 産業構造転換枠 | 2,000万円〜7,000万円 | 2/3(中小)/1/2(中堅) | 市場縮小に直面する業種からの転換 |
| サプライチェーン強靭化枠 | 最大5億円 | 1/2(中小)/1/3(中堅) | 国内回帰・国産化を進める事業者 |
| 最低賃金枠 | 最大1,500万円 | 3/4(中小)/2/3(中堅) | 最低賃金引上げの影響を受ける事業者 |
グリーン成長枠の詳細は事業再構築補助金 グリーン成長枠ガイドを参照してください。
事業再構築補助金の申請には、すべての枠に共通する「基本要件」と、申請枠ごとの「個別要件」があります。基本要件は以下のとおりです。
認定経営革新等支援機関とは、国(中小企業庁)から経営支援の専門家として認定された機関で、税理士、中小企業診断士、銀行、信用金庫、商工会議所などが該当します。事業再構築補助金では、認定支援機関の確認書が申請時に必須です。詳しくは認定支援機関ガイドをご覧ください。
中小企業者かどうかは「業種」と「資本金または従業員数」で判定されます。例えば、製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下といった基準です。判断に迷う場合は税理士・中小企業診断士に相談しましょう。
事業再構築補助金の対象経費は他の補助金より幅広く、特に「建物費」が対象になる点が最大の特徴です。
| 経費区分 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建物費 | 事業に必要な建物の建設・改修・撤去・原状回復 | 不動産取得は不可。賃貸物件の改修は可 |
| 機械装置・システム構築費 | 設備、機械、ソフトウェア、システム開発 | 単価50万円以上は相見積必須 |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入費 | 知財ライセンス料など |
| 専門家経費 | 専門家への謝金・旅費 | 1人あたり日額上限あり |
| 運搬費 | 運搬・宅配便費用 | 事業実施に必要な範囲 |
| クラウドサービス利用費 | クラウド・SaaS利用料 | 補助事業期間内のみ |
| 外注費 | 製品開発・加工等の外注 | 本体業務の丸投げは不可 |
| 知的財産権関連経費 | 特許出願費用等 | 国内・海外ともに対象 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 新事業の広告・販促費 | 補助事業期間内のみ |
| 研修費 | 新事業のための研修 | 従業員向け教育研修 |
対象外になりやすい経費:不動産購入費、汎用性の高い備品(PC、スマホ等)、自動車購入費、人件費(従業員給与)、消耗品、税金、フランチャイズ加盟金は原則対象外です。
2026年度は、年に2〜3回の公募が予定されています。直近の第13回公募の想定スケジュールは以下のとおりです(2026年4月時点の見通し)。
| 段階 | 想定時期 | 備考 |
|---|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年4月下旬 | 事務局HPで公表 |
| 申請受付開始 | 2026年5月中旬 | jGrants(電子申請) |
| 申請締切 | 2026年7月上旬 | 申請から締切まで約7週間 |
| 採択発表 | 2026年9月下旬 | 事務局HPで公表 |
| 交付申請 | 2026年10月〜11月 | 採択後すぐ |
| 補助事業実施 | 2026年11月〜2027年12月 | 最長14か月 |
| 実績報告 | 事業終了後30日以内 | 原則として翌年度 |
| 確定検査・入金 | 実績報告後2〜3か月 | 精算払い |
第14回公募は2026年秋〜冬頃の予定です。詳細スケジュール・各回の傾向は事業再構築補助金 2026年スケジュール完全版で随時更新しています。
事業再構築補助金は「申請して終わり」ではなく、採択後に多くの工程があります。全体像をつかんでおきましょう。
gBizIDプライムの取得方法はgBizIDプライム取得ガイド、jGrantsの操作方法はjGrants使い方ガイドを参照してください。
申請時点で必要となる主な書類は以下のとおりです。書類不備による不受理を避けるため、必ず事前にチェックリスト化しましょう。
事業再構築補助金の採択率は公募回・申請枠ごとに変動しますが、近年の傾向は以下のとおりです(2025〜2026年公募の参考値)。
| 申請枠 | 採択率の目安 | 傾向 |
|---|---|---|
| 成長枠 | 35〜45% | 応募数が最も多く競争激しい |
| グリーン成長枠 | 50〜60% | 専門性が高く応募数が少ない |
| 産業構造転換枠 | 40〜55% | 該当業種が限定される |
| サプライチェーン強靭化枠 | 55〜65% | 政策的優先度が高い |
| 最低賃金枠 | 50〜60% | 賃金引上げを伴うため評価されやすい |
審査は「事業化点」と「再構築点」を中心に、加点項目を含めて総合評価されます。事業化点では市場規模・優位性・実現可能性が、再構築点では事業再構築指針への合致度・新規性が評価されます。
加点項目は採択率を大きく押し上げます。経営力向上計画認定、事業継続力強化計画認定、健康経営優良法人認定、パートナーシップ構築宣言、賃上げ加点などは可能な限り取得しておきましょう。
事業計画書の具体的な書き方は事業再構築補助金 事業計画書の書き方で詳しく解説しています。
実際にどのような事業計画が採択されているかを知ることは、自社の構想を具体化するうえで非常に参考になります。以下は近年の採択傾向に基づく代表的な事例パターンです。
客室稼働率の低下に悩む老舗旅館が、客室の半数を高速Wi-Fi完備のワークスペースに改装。コワーキング併設・長期滞在プラン・都心企業との提携契約を新事業として立ち上げ、業態転換型として採択。建物改修費と通信インフラ整備費が補助対象に。
自動車部品の下請けに依存していた町工場が、長年培ってきた精密加工技術を活かし、医療機器部品の量産事業へ進出。クリーンルーム新設と検査装置導入により、新分野展開型として採択。グリーン成長枠ではなく成長枠で申請し、補助上限額5,000万円を獲得した想定事例。
コロナ禍で店舗売上が落ち込んだ飲食店チェーンが、セントラルキッチンを新設し、自社レシピの冷凍食品をECで全国販売する事業へ転換。建物費・機械装置費・広告宣伝費が補助対象となり、事業転換型として採択。
金属プレス加工を主力とする中堅企業が、自社工場で培った省エネ知見をパッケージ化し、他社向けに脱炭素コンサル+設備提供を行う新事業を立ち上げ。グリーン成長枠(スタンダード)で申請し、1億円超の補助を獲得した想定事例。
紙媒体の縮小に直面する印刷会社が、長年蓄積してきた校正・進行管理ノウハウを活かし、中小企業向けにマーケティングDX支援サービスを提供する事業を立ち上げ。業種転換型として採択。クラウドサービス利用費・システム構築費・広告宣伝費が補助対象に。
採択事例をさらに詳しく見たい方は事業再構築補助金 採択事例集もご参照ください。
不採択となった事業者には共通するパターンがあります。次回申請に挑む際は以下のチェックポイントを必ず確認してください。
| 不採択の典型パターン | 対策 |
|---|---|
| 事業再構築指針への該当性が不明確 | 5類型のどれに当てはまるかを冒頭で明示 |
| 市場分析が薄く根拠が乏しい | 公的統計・業界レポートを引用して数値で示す |
| 収支計画と事業内容が連動していない | 売上・原価・利益の算出根拠を1つずつ書く |
| 実施体制が不十分 | 必要な人材・組織図・スケジュールを記載 |
| 既存事業との関連が説明されていない | 既存リソースの活用方法を具体的に記載 |
| 付加価値額の伸び率の計算が誤っている | 計算式を明示し、認定支援機関に検算を依頼 |
不採択時の改善・再申請のコツは事業再構築補助金 不採択になったときの対処法で詳しく解説しています。
事業再構築補助金は他の補助金とどう違い、併用は可能なのでしょうか。代表的な3つの補助金と比較してみます。
| 補助金 | 補助上限 | 特徴 | こんな企業向け |
|---|---|---|---|
| 事業再構築補助金 | 最大5億円 | 大胆な事業転換、建物費OK | 新分野・業態転換を行う中小〜中堅 |
| ものづくり補助金 | 最大4,000万円 | 革新的設備投資 | 製造業の設備刷新 |
| IT導入補助金 | 最大450万円 | ITツール・SaaS導入 | 業務効率化 |
| 持続化補助金 | 最大200万円 | 販路開拓 | 小規模事業者の販促 |
原則として、同一事業に対して複数の国補助金を重複して受給することはできません。ただし、補助対象経費が明確に区分されていれば併用できる場合もあります。詳しくは補助金の重複申請・併用ガイドをご覧ください。
各補助金の詳細はものづくり補助金2026ガイド、IT導入補助金2026ガイド、小規模事業者持続化補助金2026ガイドもあわせてご参照ください。
申請枠によって異なります。サプライチェーン強靭化枠は最大5億円、グリーン成長枠は最大1.5億円、成長枠・産業構造転換枠は最大7,000万円が上限です。一般的な中小企業の場合、成長枠の2,000万円〜7,000万円帯を選ぶケースが多いです。
新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編の5つの類型があります。既存事業と異なる新たな取組を行い、事業計画期間終了後に新事業の売上が総売上の10%以上を占めることなどが求められます。
はい、必須です。認定経営革新等支援機関(銀行、税理士、中小企業診断士等)から事業計画の確認を受け、確認書を取得する必要があります。補助金額が3,000万円を超える場合は金融機関の確認も必要です。
過去に採択された事業者でも、別の事業計画であれば再度申請可能です。ただし、同一事業での重複申請はできません。不採択の場合は審査結果を踏まえて改善し、次回公募で再申請できます。
公募回や申請枠によって変動しますが、近年の平均採択率は概ね35〜50%前後です。成長枠は40%前後、グリーン成長枠は50%超、サプライチェーン強靭化枠は60%超になる回もあります。事前準備の質で採択率は大きく変わります。
はい、事業再構築補助金は数少ない「建物費(建設・改修)が補助対象になる」補助金です。新分野展開のための店舗改装、工場の新設、用途変更工事などが対象になります。ただし、補助事業に直接必要な部分のみが対象です。
公募開始から入金までは概ね10〜18か月かかります。公募申請(1〜2か月)→審査(2〜3か月)→採択発表→交付申請(1〜2か月)→補助事業実施(最長14か月)→実績報告→確定検査→入金、という流れです。資金繰りには十分な余裕を持たせる必要があります。
原則は精算払い(後払い)です。事業者が一旦自己資金や融資で経費を立替え、実績報告と確定検査を経て補助金が入金されます。一部条件下で概算払いが認められる場合もありますが、原則は「立替が必要な補助金」と理解してください。
原則15ページ以内(補助金額1,500万円以下は10ページ以内)と定められています。この枚数の中で、現状分析・市場分析・事業内容・実施体制・収支計画・付加価値額の見通しを過不足なく記載する必要があります。
はい、個人事業主も中小企業者の定義に該当すれば申請可能です。ただし、青色申告を行っていることや、一定の事業実績があることが事実上の要件となるケースが多いです。
はい、事業再構築補助金は法人税・所得税の課税対象です(益金算入)。ただし、機械装置・建物などの固定資産取得に充てた補助金については「圧縮記帳」を適用することで課税の繰延べが可能です。詳細は税理士に相談してください。
再挑戦は十分価値があります。不採択通知に記載された審査結果(評価点・コメント)を分析し、弱点を改善して次回応募すれば、採択率は1回目より明らかに上がる傾向があります。多くの採択事例が2回目以降の挑戦です。
免責事項:本記事は2026年4月12日時点の公開情報に基づき作成しています。事業再構築補助金の申請要件・補助上限額・スケジュール等は公募回ごとに変更される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず事業再構築補助金事務局公式サイトの最新公募要領をご確認ください。